原油が壊れてます(´・ω・`)
NY市場の原油先物価格が約21年ぶりの安値
原油価格の大きな指標の一つとなるWTI原油先物の価格が1バレル=11ドル前半(自分が見ている時で11ドルを下回ってますが…)となり、約21年ぶりの安値とのことです。
1バレル=11ドルって、どんなもん?
1バレルが11ドルになるからって、どうなのかピンとこないと思いますが、ざっくり以下のように言われてます。
アメリカのシェール業者の採算ライン → 1バレル40〜50ドル
サウジアラビアの採算ライン → 1バレル3ドル以下
ロシアの財政収支が均衡する原油価格 → 1バレル83ドル台
サウジアラビアの財政収支が均衡する原油価格 → 1バレル42ドル台
もうアメリカのシェール業者は採算が取れておらず、この価格が続くとシェール業者は次々と破綻し、そのシェール業者の社債を購入している金融機関まで影響が及びます。実際、シェールオイルの開発や生産を手がける「ホワイティング・ペトロリアム」が破綻しており、2020年4月1日に日本の民事再生法にあたる連邦破産法第11条の適用を裁判所に申し立てました。
そして、サウジアラビアの採算ラインが以下に低いかが分かります。
しかしながら、IMFの言っていることですが、ロシア、サウジアラビアの財政収支が均衡する原油価格が上記と言われてます。この数字を信じるならば、4月になって行われた歴史的減産と言われている石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」による最大日量970万バレル(世界の1日の生産量の約10分の1)の協調減産が合意になったのも頷けます。
日本のガソリン価格について
日本のガソリンには1リットル当たり53.8円のガソリン税がかけられており、ガソリン価格の大半は税金です。
2020年になるまで、1バレル50ドル以上だったので、1バレル11ドルは約5分の1ですが、ガソリン価格の大半は税金なので、日本のガソリン価格も5分の1になるわけではありません。
原油は買い時か?
新型コロナウイルスの影響により世界中でガソリンの需要が少なくなり、価格が暴落しているため、新型コロナウイルスが収束すれば原油価格も元の50ドル台等に戻ると考えられますが、ワクチンも治療薬も完成しない今は収束の目処が立っていません。
過去の推移から見ても相当割安であり、長期投資の視点で見れば買い時ですが、そう簡単にはいきません。
先物には限月といって、先物の期限が満了する月があり、その時に清算しなければならず、先物は決済期日がある取引なので長期保有ができません。決済期日前に一度売り、先の期日のものを買って乗り換えることをロールオーバーと言いますが、ロールオーバーの度、基本的に安いものを売って、高いものを買うことになりますので、損失が発生し、やはり長期保有には向きません。
WTI原油先物価格に連動した上場投信、ETFもありますが、原資が先物ということで、同じような理由で長期保有には向きません。
割安と明らかに分かっていても、原油投資で利益を上げるのは難しそうですね…(´・ω・`)
さいごに
原油価格は、世界の景気バロメーターの一つにもなっています。
世界の景気が良くなると、観光等でみんな移動しガソリンをよく使われるようになり需要が増えますが、逆に不況になると需要が減り、原油価格も落ちてゆきます。
原油価格が下がれば、車のガソリン代が下がって嬉しい!…と単純に喜べず、世界が不況になっている証でもあるのです。
ちなみに、原油先物での投資は難しそうなので、関連株式を長期保有目的で購入してみました(´ω`)
原油価格が新型コロナウイルス感染症(COVID–19)のパンデミック前の価格まで戻る保証はありませんので、リスクが高いかもしれませんが、長期保有には面白い銘柄だと思ってます(`・ω・´)
対象銘柄については、後日、ブログに書きたいと思います…
(2020年4月21日追記)
この記事UPして寝て起きたら、史上初の原油価格がマイナスになってた…(´・ω・`)
異常事態ですね…
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